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愛の即席

語り:セリオス
青字:ザハンの添削


 ハッローゥベェ〜ベーイベェ〜、お久しぶりのセリちゃんです。みんな、元気してやがるかコノヤロウ。
 俺は今日、近所のスーパーに買い物に行ったんだ。
 ジュネ夫の奴が家出中なもんで、俺が家事をやらされているのだ。
 兄貴はこのごろ、ビョウインというところに通っていた。
 どうやら本格的にアタマをやられているらしい。目が虚ろだ。
 しかもなんだか、性的不能に陥っているらしく、ヒニョーキカと言うところにも行っているようだ。
 兄貴の奴、一体ジュネ夫の奴になにをされたんだ……?

 話を戻すが、あんな鬼畜人物どもの巣くう所から、一刻も早く逃げ出したい所だが、ライを置いてはゆけないし何しても無駄なような気がするぜ。
 どこに隠れていようとも親父の悪魔の目からは逃れられんからな。←誰が悪魔ですか

 てなもんで、スーパーの中をうろうろしていたら、俺は嫌な奴らを見つけちまった。
 ボンクラ王子様とその連れの家来が、二人ならんで練り歩いていたんだ。
 俺は忘れねえぞ、くそ家来め。俺をあやよくば←あわよくば殺そうとしたことを。
 俺はこう見えて執念深いんだ。仕返しに、後ろからドスンとやっちゃっちゃおうと思い付いた。
 俺はゴンドラの陰に隠れ、奴らの様子を伺った。
 気をつけねえと、やるどころかやられちまうからな。
 捕まってあの家来のデカイモノで掘られでもしたらたまらん。←やけにこだわりますね……

 奴らはしばらく店内をうろつき、篭に荷物を増やしていった。
 あほ王子はガキみたいにみるものきくもの片っ端から欲しがって、クソ家来を困らせていた。
 チッ……イチャイチャしてんじゃねえよ、半分以上お前らの所為でジュネ夫が出ていっちまったというのによ。
 ケッ……胸クソ悪いぜ!! ←うらやましいんでしょう?
 いよいよ俺は、本気で殺っちまおうという気分になった。
 清算を終えて、出口にむかったあたりが狙い目だろう。
 俺は買い物をしながら、奴らを徹底的にマークした。

 買い物も終盤に差し掛かり、レジに向かおうというその時、馬鹿王子は脇にうずたかく積まれている丸い筒状のものに興味を示した。
 ああ……今日特売のカップ麺だ。お湯を入れて三分で出来上がりだ。うちにも買っておこう。奴らの飯なんてこれで十分だ。←手抜きはいけませんよ
 その、かっぷ麺を手にとって、王子はまたごねり始めた。やんちゃやのう、ほんに。
 家来は偉そうに、お説教モードだ。
「そんな得体の知れないものを口に出来る訳ないだろう。
 お湯を注いで三分で中華麺が出来るなど、怪しすぎるではないか」
 サントアークにはこんな便利でうまいものがないのだろうか。
 それとも奴の頭が古いのか。お前は拙者ござるのえぼ時代の人か? ←意味不明です
「ガーラん家で食ったらうまかったもん」
 へなちょこ王子はぷぷうとむくれている。ほんとこいつ、頭弱そうだよな。いや、実際弱いのかも知れないがな。
 家来は兄貴の名前に反応したようで、みるみる内に殺気立った。
「ガーラに与えられたものを口にしたのか?」
 家来の野郎、めちゃくちゃ自分の主君を睨んでやがった。なんてやつだ。いくら頭が弱そうでも、態度がでかいにも程があるぜ。
 ていうか、変な物言いをするもんだな。いくら兄貴でも、食べ物に毒を盛ったりはしないぜ。兄貴、こいつによっぽど嫌われているんだな。
「なに怒ってんだよ」
「怒ってなんかいない。
 ただ、迂闊なものを口にするなと言うんだ。
 食べたものはいずれ自分の体になるんだからな。
 お前は俺の作ったものを食べていればいいんだ」
「なにそれ、俺お前に飼われてるのかよ」
 二人は喧嘩腰になっていた。
 ……なんだか、この家来、あぶない臭いがするぜ。
 兄貴に聞いた。こいつは真面目なふりをして相当なくれいじぃだと。
「……とにかく、俺はちゃんと栄養のことも考えて食事を作っているんだ。
 ラーメンが食べたいなら作ってやるから、そんなものを買う必要はない」
 なんだかこいつは、麺から自分で打ちそうな勢いだ。
 ンなに料理が好きなら、うちの連中の飯もつくってやってくれよ。←私も同感です
 兄貴の分だけ、毒盛っても構わねえからよ。
「……俺はただ、お前がいつも大変じゃないかと思ってさぁ……」
 むくれていた王子は、今度はしょぼくれた。
 なんなんだこいつ。キショイ!!!
「えっ……?」
 しょぼくれた王子をみて家来は、ポカンと固まったかと思うと、なんだか目頭を熱くさせているようだった。
「お……俺に気を使う必要はない。
 わかったならほらはやく帰るぞ」
 家来の野郎なんとなくしどろもどろになってやがる。
 オージ様に優しいお言葉をかけてもらえたから感動したんだな。
 おおじ様もなんだか頬を染めて、特売品売り場から離れた。
 二人はまたくっついて、レジを通っていった。
 おれは呆然としてしまって、奴らが帰るまでその場に留まってしまった。←怪しいですよ
 なんていうか……けったくそ悪いぜおんどれら!!!
 いちゃいちゃいちゃいちゃしやがってからに!!!
 幸せオーラ発してるんじゃねえ!! こっちはお前らのせいで不幸のどん底だ!! ←逆恨みです
 兄貴はこいつらと、二年……いや三年か? 一緒に行動を共にしていたのは。
 アタマがおかしくなるのもわかる気がするぜ。
 たぶんこいつらは、年がら年中新婚さんだ。ハネムーンはワイハだ。毎日が初夜だ。
 あなたおかえりなさいごはんにする? おふろにする? それともあ・た・し(裸エプロン)?
 ンガーーーー!!!
 いやなもんを想像してしまったぜ。
 ああでも、ライが裸エプロンで迎えてくれたら俺はけだものになっちゃうな。←立場が逆ではないかと
 いいなあ、ちくしょう、うらやましいぜ……。←この頃妙に素直ですね……

[考察]

 兄貴が今不能に陥っているおかげで、奴らはラヴラヴだ。
 近づくと気分を害するだけなので、ほっておくにかぎる。

 兄貴はたぶん、奴らのせいでアタマをおかしくした。
 バカップルの側にいるのはつらすぎる。

 家来は従順なふりをして、王子を飼い慣らしている。
 うまい具合に栄養を与えて、あとで自分が食うつもりなのだろう。←本当にそうなのかもしれません
 やることがえげつないぜ。

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