開発済み
部屋は穏やかな朝日に包まれていた。ルインフィートはふと、人の気配を感じて目を覚ました。
一人の男が彼を組み敷いていた。その人物は寄り添って寝ていたはずのハルマースではなく、銀髪の青年ガーラだった。
「が、ガーラ!?」
目が覚めていきなりの予想もつかない出来事にルインフィートは飛び起きようとした。しかし、ガーラは強い力で彼の身体を押さえつけた。
「おはよう、いい朝だね」
ガーラはルインフィートにわざとらしいくらいの清清しい笑顔を見せた。ルインフィートは自分に重くのしかかる彼を睨みつけた。
「ど、どいてくれよ、重いよ」
しかしガーラはルインフィートの言葉を無視して、彼の上から退こうとしなかった。
「お前のおかげで復活したんだよ、俺の聖剣が」
ガーラの言葉の意味が良く分からずにルインフィートは一瞬ぽかんと固まった。不意に視線を下に向けたガーラに釣られて、ルインフィートもガーラの下半身に目を向けてみると、そこには明らかに通常ではないふくらみがあった。
「昨日はよくも言ってくれたじゃないか、不能だなんて。俺の祈りが神に通じたのか、ギンギンの朝立ちだよ」
「な、なんだって――――!」
ルインフィートは本能的に身の危険を感じて、持てる限りの力を振り絞ってガーラを突き放した。急いで寝台から降りようとするが、腕を掴まれて再び引き寄せられてしまった。
「逃がさないよ」
ガーラは暴れるルインフィートの両腕を掴んで彼の頭の上に押さえつけ、魔力の宿る瞳で彼の目を見つめた。
「月の神よ、彼を戒めたまえ」
ガーラの手が鈍く光った。その光はルインフィートの手首に伝わり、まるで手枷のように彼の動きを戒めた。
ガーラの信じられない行動にルインフィートは目を疑った。今まで彼には何度も物理的に動きを封じられて襲われた事があったが、神聖魔法を使われたことなど一度もなかった。
「神の力をこんなことに使うなんて! 罰が当たるぞ!」
「朝だからね。時間が無いんだよ」
しれっとした態度でガーラはルインフィートに微笑みかけた。下穿きを下に降ろし、固くそそり立つ己の性器を朝日に晒してルインフィートに見せ付けた。
堂々と本来隠すべきものを見せ付けられて、ルインフィートは赤面して憎々しくガーラを睨みつけた。
「ケダモノ! 変態!」
ルインフィートはガーラに吠え掛かった。身体は動けなくても大声を出せば、誰か助けに来てくれるかも知れないと、そんな願いも込めていた。
「騒々しいなあ……」
騒ぎ立てるその口に、ガーラは自分の性器を押し込んだ。頭髪を強く掴んで無理に顔を押し付けさせて、喉の奥まで容赦なく突いた。
「んぐ……ッ」
ルインフィートはたまらずにえづいたが、ガーラは手を離そうとはしなかった。
「噛むなよ、どうすればいいか、わかってるだろう?」
ガーラはルインフィートの頭を片手で掴み、もう片方の手で彼の頭を撫でた。早く終らせてしまいたいと思ったルインフィートは、半ばヤケになって自分で頭と舌を動かし始めた。
しばらく動きを繰り返した後、ガーラはルインフィートの口から自身を離して、自ら握り閉めて彼の顔をめがけて射精した。勢い良く白濁がほとばしり、無残にルインフィートの顔を汚していった。
ルインフィートは涙ぐみ、肩で息をしながらも、ガーラを強く睨みつけた。
「こ……これで、もういいだろ……」
「まさか」
ガーラの性器はまだまだ固く、そそり立ったままだった。ルインフィートはぞっとして、汚されてしまった顔を彼から背けた。肩を震わせて、泣き出しそうになるのを必死で堪えていた。
「いい表情だ」
満足そうに微笑むと、ガーラはルインフィートの夜着の前をはだけさせた。引き締まった胸板に手を伸ばして、小さな乳首を摘まんで転がすように嬲った。みるみるうちにルインフィートの乳首は色付き、ぷっくりと固く勃ちあがっていった。
ガーラは彼の胸に顔を埋め、乳頭を口に含んで甘噛みした。執拗に乳首を責められて、ルインフィートの身体は淫らに熱を帯びていった。
ガーラの行為で込みあがる性的な欲求を、今日ばかりは素直に受け入れたくはなかった彼は必死に甘い声が漏れそうになるのを堪えた。
「いやだ……はなせ、やめろよ……!」
「いやだ?」
ガーラはルインフィートの下穿きをずり降ろし、股間を露にさせた。無残に晒された性器はそそり立ち、確かな欲望を主張していた。何のためらいもなくガーラはそれに指を絡ませて、親指の腹で裏筋をぐいぐいと強く押しながらなぞった。
ルインフィートの背中が反り、足が強張ってがくりと震えた。ガーラはその足を掴み、股を開かせてその間に腰を据えた。手のひらでルインフィートのそそり立つそれを包み込んで、激しく扱くと、ルインフィートは耐え切れずに甘く上ずった声を漏らしてしまった。
「いや、や、やめ……あ……ッ」
ガーラに扱かれてルインフィートのそれは硬さを増して、先端から滴がにじみ始めていた。ガーラは薄笑いを浮かべながら、ルインフィートの先端を指先で執拗に嬲った。
「もうこんなに……ぬるぬるじゃないか。気持ちいいんだろう……?」
「――ッあ……ッ……!」
ルインフィートの身体がびくりと震えて、脈打つそれの先端からどろりとした濃い精液が腹に飛び散った。
「お前も随分溜まってるじゃないか」
ガーラはルインフィートの吐き出した白濁を指に絡ませた。陰のうの更に下へとその濡れた指を伸ばして、彼の中への入口のまわりをなぞった。
ルインフィートはガーラから顔を背け、首を横に振った。恥辱に顔は真っ赤に染められ、肩はわなわなと震えていた。
「なんで……こんなことするんだ、酷いよ、離してくれよ」
「酷いとは心外だな。昨晩はお前から誘ってきたじゃないか。俺はそれに応えてやってるだけだよ?」
ガーラの指がルインフィートの中を探り始めた。徐々に指の本数が二本、三本と増やされてゆく。粘膜を擦られて、卑猥な粘着音がくちゅくちゅと響いた。空いているほうの手は再びルインフィートの性器を握り締めて、ゆっくりじわじわと加減をしながら扱いていた。
「ふ……ッ……」
ガーラの指がルインフィートの内部のある一点を突いた時、ルインフィートの身体がびくりと跳ね上がった。ガーラはにやりと含み笑いを浮かべると、その一点を抉るように指を突き動かした。
「うあッ――、あ……んんッ」
ルインフィートの身体は弓なりに反り返り、強制的に与えられる快楽に打ちのめされていった。悔しさに涙が溢れ出し、白濁で汚れた顔に透明の筋が走った。
泣き出してしまったルインフィートを見て、ガーラは手を動かすのをやめた。
「その顔が、見たかった」
ガーラはルインフィートにうっとりと微笑みかけて、彼の下半身から手を離した。しかし直ぐに彼の太ももを掴み、股を押し広げて露になった秘部に性器の先端をあてがって、ゆっくりとなじませるように徐々に挿入させていった。
「――あ、あっ、いや……やめッ――!」
挿入後、何度もガーラに突き上げられて、ルインフィートの身体はびくびくとのたうった。尻を犯されている間もガーラの手はルインフィートに絡み付いて、さらなる刺激を与えられ続けていた。
なすがままの自分の身体を必死で否定するかのように、ルインフィートは首を横に振る。しかし身体はまるでいう事を聞かずに、ガーラの意のままになって快楽に身悶えてしまう。快楽に悶える内部の振動がそのままガーラに伝わり、よりいっそう彼を焚きつけた。
「ふふ……お前のココも、すっかり具合がよくなったなあ。俺が勃てなかった間も、自分で弄ったりしてたんじゃないか?」
「そんなコト……してな……いッ……」
込みあがる怒りと苦しさに、ルインフィートは息も切れ切れに言葉を吐いた。頭の中は白み始め、限界が近づこうとしていた。
ガーラは薄笑いを浮かべたまま、一段と強く腰を突き出した。同時にルインフィートの高ぶりを強く擦り上げて、開放を促した。
「ふあ、あ――――ッ」
ルインフィートの背中と首が大きく仰け反って、足元ががくがくと震えた。白濁を放ったと同時に、身体の奥深くにもガーラのものが注ぎ込まれていた。
「――っふ」
ガーラは短く息を吐いて、ルインフィートに腰を強く押し付けた。下腹部に力を込めて、精液を全て彼の中へと搾り出した。
「――ああ」
ガーラはぶるりと身体を震わせた。うっとりと余韻に浸って、その美しい顔を恍惚に歪めた。精を出し尽くした自身をルインフィートから引き抜き、まとわりついた自分の精液を布で綺麗に拭い去った。
「素晴らしい……朝だね……」
そう言って優雅に微笑むガーラの姿が、ルインフィートの目には淫魔かなにかのように見えていた。ルインフィートは相変わらず拘束されたまま、汚された身体を朝日にさらけ出されていた。
「ハル……ハルマース……う、ううッ――」
ルインフィートの瞳からとめどなく涙が溢れ出していた。不意に漏らされた彼の言葉にガーラは苦笑いをした。寝台から降り立ち、自分の衣服の乱れを直しながら言った。
「お前はよっぽどあいつが好きなんだなあ」
「ハルマース……キスしてくれたんだ。好きだって言ったら、伝わったんだよ……」
焦点の定まらない目で、ルインフィートはぼんやりと呟いた。その言葉を聞いてガーラの顔から薄笑いが消えた。
「だから、何?」
「こんな……こんな俺を知られたら、きっと、嫌われ……うう……」
嗚咽の混じった消え入りそうな声だった。涙は止まることなく次々と頬を流れ落ちていった。
ガーラは神妙な顔つきになり、ルインフィートの頭をそっと優しく撫でた。
「ああ、それは悪かったなあ」
ガーラのその言葉に、ルインフィートの表情が一瞬和らいだ。しかしその表情はすぐに凍りつかされることとなった。
「嫌われるかどうか、試してみようか。
呼んで来てやるよ、ハルマースを」
「―――――――――!!」
ルインフィートは目を見開いた。あまりにも心無い言葉に、声も出なかった。
「王子様は淫乱で、開発済みでした。なんて、ヤツが知ったらどうなるんだろうなあホント」
ガーラは再び意地悪な笑みを浮かべた。ルインフィートにわざとらしく顔を近づけて言葉を吹き込んだ。
「隠し事はよくないよ」
術の効力が薄れてきた為、ガーラは荷物の梱包用の粘着テープをジュネの部屋の道具入れから取り出して、寝台の支柱とルインフィートの腕に念入りに巻きつけて拘束した。
「う、嘘だ、嘘だろ!? 離せ、離してくれ……!」
ルインフィートの悲痛な声を完全に無視して、ガーラは一人部屋の外へと出て行った。
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