- 銀の巡礼
- 人里を離れた魔族の村に、一人のやつれた青年が流れ着いた。彼は記憶を失っていたが、村の長リムーダーは彼のことを知っていた。
彼の名前は、ガーラ・ルイム。ある事情により、王の血を引かずに魔の国ルイムの王子として、生まれてきてしまった男。
ルイムは賢者ザハンの謀反を受けて、壊滅させられてしまっていた。彼はその時、何らかの理由でこの地に流れ着いたのだろう。
ガーラはリムーダーに保護されて、魔族の村で一年間療養する。青年の空虚な心は、穏やかに満たされていった。
ガーラは離れ離れになってしまった兄弟のことが気にかかり、彼らを探す旅に出ることにした。
旅をする間に、自分の記憶も取り戻すに違いない……そう信じて、彼は歩き出した。
[第一部]
†満月の夜†
- 夜の祈り
- 囁く罠
- 夜道探索
- 暴露
- 対話
- 緊張の朝
[第二部]
†夜明けの星†
- 空白の流浪
- 羽音
- 別れと出会い
- 出発
- 鮮血
- 裏と表
- 試練の時
- 壁の城
- 開け放たれた窓
- 伏せられた罠
[第三部]
†彷徨う時†
- あらくれ者
- 忍び寄る負の影
- 油断
- 最後の夜
- 生活の格差
- 佇む青
- 偽りの事実
- お化け屋敷へ
- 問答
- 行方
[第四部]
†嘘と償い†
- 眠る王子
- 目障りな光
- 銀の獣
- 開放
- 白と黒